ラポールテクニック

ラポールとは、フランス語で「橋をかける」という意味で、
相手と自分との間に橋が架かっている状態、すなわち、心が通じ合い、
互いに信頼し、相手を受け入れている状態を指します。

ラポールを築くことは、カウンセリングの中では欠かせないことですが、
ビジネスや教育、夫婦、親子、友人関係においても、大変重要なものです。

ラポールを築くためのテクニックとして、NLP (神経言語プログラミング)では

などがあり、
これらのテクニックを用いることで、相手と早く信頼関係を築くことができます。

ミラーリング

例えば、ミラーリングとは、相手のしぐさや姿勢などを鏡に映しているかのように真似るテクニックです。
それにより相手が無意識的に、あなたを自分と似た存在であると認識することで、相手の警戒心を解き、好意や安心感を感じさせることができます。

実は、このようなことを私たちは自然に行っており、
気の合う友人やカップルなどの会話を見ていると、
同じような姿勢やしぐさで会話していることがよくあります。

やりすぎて猿真似にならないように

このように自然に打ちとけあっている状態を意識的に作り出すために、ミラーリングテクニックを用いるのですが、その際には注意も必要です。

相手のボディーランゲージをそのままモノマネすることはよくありません。
あまりにもあからさまにモノマネを行うと、相手はあなたに対して不信感を抱き、ラポールを築くことに失敗してしまいます。

NLP (神経言語プログラミング)の前提に、
「相手のフィールドに入る」
という考え方があります。

ラポールテクニックを用いるときも、相手のフィールド=世界を尊重し、
相手の世界を理解したいという気持ちのもとに行わなければなりません。

相手の世界を尊重することは、コミュニケーションの根本条件であり、
ラポールテクニックを用いるときも、この前提を大切にすることが大変重要です。

活用事例 ケーススタディ

Case1 次々に契約がとれるようになったワケとは・・・

ケース1 武田 淳史さん(仮名)

武田 淳史さん(仮名)

職業:リフォーム会社勤務 営業
年齢:33歳

リフォーム会社で新規の提案営業、いわゆる飛込み営業を行っている武田さんは、
なかなか契約がとれずに困っていました。

そんな武田さんが、NLPで学んだことを営業に活かし始めたところ、
契約が徐々に増えていき、今では社内でトップを争うまでになりました。

では、どのようにして契約数を増やすことができたのでしょうか。

それは、優秀なセールスパーソンであれば当たり前に行っていることでした。

武田さんが行っていることをお話する前に、営業やセールスだけでなく、
あらゆる場面において、相手を口説くために重要な条件があるので、
そちらを先にお伝えいたします。

それは

『相手の人が、あなたの話を聞く準備ができている』

ということです。

こちらがいくら「いい話」だと思っていても、信頼関係が築けていなければ
聞く耳をもってもらえません。

つまり、相手との間に信頼関係、ラポールを築くことが、相手を口説くための大前提
ということになります。

話を戻して武田さんですが、
以前は、アポがとれたお客様にお会いしたときに、気持ちばかりが焦ってしまい、
いきなりパンフレットを広げ、説明をはじめていました。

信頼関係、ラポールを築く

NLPを学んでからは、お客様の抱えている悩みや問題をしっかりと傾聴し、ミラーリング、ペーシング、バックトラッキングといったテクニックを用いて、

信頼関係、ラポールを充分に築いたあとで、プロとしての提案を行ったところ、おもしろいように契約が取れていったということです。

もちろん、これだけが契約数アップの要因ではなく、
他にもお客様の心をつかむ方法を使っていました。

NLPにはセールスに活かすことができるスキルやテクニックがたくさんあります。
それは、また別の活用事例で・・・。

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Case2 部下のやる気が変わった?

ケース2 田中 香織さん(仮名)

田中 香織さん(仮名)

職業:イベント会社勤務 企画・営業
年齢:29歳

イベント会社に勤務する田中さんは、新たなプロジェクトの始動にあたり
部下5名を率いるチームのリーダーとなりました。

女性ということで、なめられてはいけないという思いもあってか、
いつも説得するように強い命令口調で指示を与えていました。

強い命令口調

指示をしたことについては、期日までに上がってくるのですが、それ以上でも、それ以下でもありません。

また、チームのミーティングでは特に発言する者もなく、
いつも田中さんだけが話をしている状況でした。

他のチームでは、自ら率先して行動する社員がいるのに
どうして自分のところは、指示した以上のことができないのかと
いつも嘆いていました。

そんな状況が、ある時から徐々に変化していきます。

部下がミーティングで積極的に発言を行うようになり、
さらに、指示した以上の成果を上げてくるようになったのです。

いったい田中さんはどんな方法をとったのでしょうか。

田中さんは特に難しいスキルを使ったわけではありません。
とても簡単なことを行っただけなのです。

それは、

「部下の話を聴く」

部下の話を聴いただけ・・・?

と思われた方もいるのではないでしょうか。

以前の田中さんは、
リーダーは引っ張っていくもの、自分で決めて進めていくもの、
という思いが強く、部下の話など聞く耳を持ちませんでしたが、

うまくいっているリーダーから教えてもらったNLPを学んだ田中さんは、
部下にやる気がないのは、自分のコミュニケーションが問題ではないかと考え、
まずは信頼関係を築こうと部下の話を聴くことにしてみたのです。

話を聴くといっても、ただ聴くのではなく、
部下をとても重要な人物であると考え、どんな思いをもって
話しているのか、興味をもって耳を傾けて聴きます。

これは信頼関係・ラポールを築くためのNLPのスキルの一つで
『傾聴』と言われるものです。

傾聴

部下の話を聴いている間は、言いたいことがあっても、
否定せず、しっかりと最後まで聴きます。

話を聴いてもらえた部下たちは、たとえ意見が通らなかったとしても、尊重されている、認められていると感じ、田中さんを信頼していきます。

さらに、
うまく出来た時には褒め、頑張った時にはねぎらうことで、
部下たちの自己重要感を満たしていったのです。

このことは、NLPハイパーコミュニケーションセミナーや
NLPプラクティショナーで実践的に学ぶことができますが、

簡単にご説明しますと、
人は根源的な欲求として、他人から認められたい、
自己重要感を満たしてもらいたい、という欲求を持っています。

ところが多くの場合、その自己重要感が満たされていません。

そのため、自己重要感を満たしてもらった人は、
満たしてくれた人に対して、絶大な信頼を寄せるようになるのです。

自己重要感を満たしてもらった部下たちは、
田中さんやチームのために貢献しようと考えるようになっていきました。

さらに、田中さんは、ミラーリング、ペーシング、バックトラッキングを使うことで、
無意識レベルで親近感を感じさせることができ、チームとしての一体感も生まれ、
結果としてプロジェクトは大成功に終わりました。

今度新しく立ち上がるプロジェクトでも
リーダーとして配属されることが決まった田中さん。

今度は部下が一気20人に増えるとのことです。

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